ハラスメント被害を、家族や友人に話してもいい?

職場で起きた辛い出来事を、
一番身近な家族や親しい友人に打ち明けたいと思うのは、とても自然な気持ちですよね。
「でも、心配をかけたくない」
「どうせ分かってもらえないかも」
と、一人で抱え込んでいませんか?今回は、そんな身近な人へ相談する際の、心の準備と伝え方のヒントをお届けします。
相談する前に知っておきたい、3つのこと
大切な人に話すからこそ、少しだけ心の準備をしておくと、あなたの気持ちがより伝わりやすくなりますよ。
① 「正解」を求めすぎない
家族や友人は、法律や労働問題の専門家ではありません。具体的な解決策や「正解」のアドバイスを期待しすぎると、お互いに辛くなってしまうことがあります。まずは、「ただ、この苦しい気持ちを聞いてほしい」というスタンスでいることが、とても大切です。
② 相手を「責めない」と決めておく
「なんで分かってくれないの!」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、相手はあなたのことを心から心配するあまり、つい「あなたにも悪いところがあったんじゃない?」といった言葉を口にしてしまうことがあります。
それは、あなたを傷つけたいのではなく、あなたの身に起きている辛い現実を受け止めきれないだけかもしれません。
③ 感情的になりすぎない工夫
もちろん、辛い気持ちを我慢する必要はありません。ただ、少しだけ冷静に話す工夫をすると、相手も状況を理解しやすくなります。
事前に「いつ、どこで、誰に、何をされた(言われた)か」を簡単にメモに書き出しておくと、感情的になっても話が脱線しにくくなりますよ。
身近な人に相談する、一番のメリット
身近な人に話すということには、専門家への相談とはまた違った大切な意味があります。
あなたの「一番の味方」でいてくれる安心感
たとえ具体的な解決策が見つからなくても、
「あなたの味方だよ」
「辛かったね」
と共感してもらえるだけで、心は大きく救われます。
専門家への相談との「使い分け」
家族や友人への相談と、弁護士や公的機関への相談は、目的が少し違います。
心のケアと、問題の解決
身近な人への相談は、主にあなたの心の安定や孤独感を和らげるためのものです。一方で、会社との交渉や法的な手続きといった具体的な問題解決のためには、やはり専門家の知識と経験が必要になるでしょう。
どちらが良い・悪いではなく、目的によって相談相手を「選ぶ」という視点が大切です。
🔑 ワンポイント
一番身近な人に話すことは、あなたの心を孤立から守るための、とても大切なセルフケアの一つです
🌈 ちょっと一息
「心配かけたくない」というあなたの優しさが、あなた自身を追い詰めていませんか。少しだけ、誰かに頼ってみる勇気も必要です
まとめ
ハラスメントの悩みを家族や友人に相談することは、決して間違っていません。大切なのは、相手に専門家のような完璧な答えを求めず、「ただ気持ちを受け止めてもらう」ことを目的とすることです。
あなたの心が少しでも軽くなるなら、ぜひ信頼できる身近な人に話してみてくださいね。そして、具体的な解決に向けて行動したいと思った時は、専門家を頼ることも忘れないでください。
どこに相談すれば良いか分からない、という方は、まずこちらのページで全体像を掴んでみるのがお勧めです。
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