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産業医との面談時、何を話せばいい?

産業医との面談時、何を話せばいい?

会社から「産業医と面談するように」

と言われて、戸惑いや不安を感じたことはありませんか。

 「何をどこまで話せばいいんだろう…」
 「不利なことを会社に言われるんじゃないか…」

そんなふうに考えてしまうかもしれませんね。

しかし、産業医はあなたの健康を守るために存在する専門家であり、うまく連携することで、ハラスメントで疲れた心と体を守るための心強い味方になってくれます。

この記事では、産業医との面談を安心して、そして有意義な時間にするためのポイントを分かりやすく解説していきます。

そもそも「産業医」ってどんな存在?

まず知っておきたいのは、産業医の基本的な役割です。産業医は、労働安全衛生法という法律に基づいて、労働者の健康管理について専門的な立場から指導や助言を行う医師のことを指します。

常時50人以上の労働者がいる事業所では、産業医を選任することが法律で義務付けられている、私たちの健康にとって非常に重要な存在です。

多くの方が心配される点ですが、産業医には厳格な守秘義務が課せられています。面談で話したあなたの心身の具体的な症状やハラスメントの詳しい内容が、本人の同意なく会社の人事や上司に筒抜けになることはありませんので、その点は安心してください。

産業医の役割は、あくまで会社から独立した中立的な立場で、あなたの健康を守り、健やかに働き続けられる環境を整えることです。

🔑 ワンポイント
産業医には、普段は別の病院で勤務している「嘱託産業医」と、その会社専門の「専属産業医」がいます

面談を有意義にするための事前準備

いざ面談となると、緊張してしまって言いたいことの半分も言えなかった…ということも少なくありません。そうならないために、少しだけ準備をしておきましょう。

専門家である産業医に正確な情報を伝えることで、より的確なアドバイスをもらいやすくなります。

伝えるべきことの整理

事前に、以下の点をメモに書き出しておくと、落ち着いて話を進めることができます。

  • いつから、どんなハラスメントを受けているか
    ⇒ 具体的な言動や頻度など。
  • 心身に出ている症状
    ⇒ 眠れない、食欲がない、動悸がする、朝起きられない、涙が止まらなくなるなど、ささいなことでも構いません。
  • 仕事への影響
    ⇒ 集中力の低下、ミスが増えた、遅刻や欠勤が増えたなど。
  • 現状の希望
    ⇒ 可能であれば、「今の業務から離れたい」「休職を考えている」といった、あなたの希望も伝えてみましょう。

面談当日に心がけたいこと

準備ができたら、あとはリラックスして面談に臨みましょう。面談中に心がけておきたいポイントは3つです。

1. 正直に、ありのままを話す

「こんなことを言ったら大げさだと思われるかも」などと遠慮する必要はありません。専門家は、あなたの主観的な辛さも含めて状況を理解しようと努めてくれます。あなたの言葉で、ありのままの気持ちや状態を伝えることが何よりも大切です。

2. 具体的な助言を求める

 例えば、

「今の状況で、仕事を続けるためにどんな配慮が必要だと思いますか?」

 あるいは

「心療内科を受診した方がよいでしょうか?」

といったように、具体的な質問を投げかけてみましょう。

産業医は、就業上の措置(時間外労働の制限や業務内容の変更など)に関する意見書を会社に提出したり、適切な医療機関を紹介してくれたりといったサポートが可能です。

🌈 ちょっと一息
感情的になってしまっても大丈夫。あなたの辛さを伝えることが、状況を変える第一歩です

まとめ

今回は、産業医との面談を有効に活用するためのポイントを解説しました。産業医面談は、決してあなたを追い詰めるためのものではなく、あなた自身を守るための大切な機会です。

会社の人間だからと身構えずに、中立的な立場の専門家であることを理解すること。事前に自分の状況や気持ちを整理して臨むこと。そして、当日は正直に、ありのままを伝えること。

この3点を意識するだけで、面談はずっと有意義なものになります。一人で抱え込まず、専門家の力を借りて、あなたの心と体を守るための一歩を踏み出してください。下の関連ページも参考になると思います。

→ 関連ページ:『専門家(医師・カウンセラー)を最高の味方にする方法』

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