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通勤電車でできる「心を鎮める5分瞑想」

通勤電車でできる「心を鎮める5分瞑想」
通勤電車でできる「心を鎮める5分瞑想」

職場でのハラスメントに悩む人にとって

会社へ向かう通勤電車は、まるで「護送車」に乗せられたような苦痛な時間かもしれません。 駅に近づくにつれて動悸が激しくなったり、お腹が痛くなったりしていませんか?

それは、脳が「危険かもしれない」と判断して、交感神経が優位になっている(戦闘モードに入っている)状態です。

しかし、この辛い時間を、逆に自分の心を守るための「回復の時間(セルフケアタイム)」に変えることができます。

この記事では、周囲に気づかれずに実践でき、乱れた自律神経を整える「電車内専用の瞑想テクニック」を紹介します。

目は閉じなくていい。「電車瞑想」の基本

「瞑想」と聞くと、静かな部屋で座禅を組み、目を閉じて行うものを想像するかもしれません。 しかし、マインドフルネス(今、ここへの集中)は、どんな場所でも実践可能です。

特に通勤電車では、以下の「目を開けたまま行うスタイル」が基本となります。

ステップ1:スマホをバッグにしまう

まずは、無意識に見てしまうスマホをバッグにしまいます。 SNSやニュースサイトは、脳に新たな情報を流し込み、不安を増幅させる原因になるからです。

 「この5分間だけは、デジタルから離れる」

と決めてください。

ステップ2:視線を一点に「置く」

目は閉じなくて構いません。 閉じてしまうと、かえって不安な思考(上司の顔や嫌な記憶)が頭の中に広がりやすくなる場合があるためです。

  • 窓の外の流れる景色をぼんやりと眺める
  • 床の特定の模様を見つめる
  • 前の人の背中の「ボタン」など、動かない一点を見る

視線を一点に固定し、焦点を少しぼかすようなイメージで、ただ「見る」ことに意識を向けます。

🔑 ワンポイント
一点を見つめることで、視覚情報の入力量が減り、注意が落ち着きやすくなる効果があります

状況別・3つの「集中」テクニック

視線が定まったら、次は意識を体の感覚に向けていきます。 混雑した車内でも実践できる、3つの具体的なテクニックを紹介します。

今のあなたの状況(立っているか、座っているか)に合わせて選んでください。

① 足裏で感じる「グラウンディング」(立っている時)

これは「地に足をつける」感覚を取り戻す、最も強力な方法です。 不安な時は気が動転して「浮き足立つ」状態になりますが、意識を下に下げることで心を安定させます。

  1. 足の裏全体が、床に接している感覚に意識を向けます
  2. 電車の揺れに合わせて、重心が右足、左足と移動するのを感じ取ります
  3. 「今、自分は床に支えられている」という安心感を感じます

② つり革の「触覚フォーカス」(つり革を持っている時)

手で触れている感覚に、全神経を集中させる方法です。 思考が暴走しそうな時、意識を強制的に「手元」に引き戻すのに役立ちます。

  • つり革のプラスチックの「硬さ」を感じる
  • 表面の「温度(冷たさ、温かさ)」を感じる
  • 握っている自分の手の「筋肉の緊張」を感じる

「硬いな」「冷たいな」と心の中で実況中継するのも効果的です。

③ お尻の「重力スキャン」(座っている時)

座席に座っている場合は、お尻や太ももがシートに触れている感覚に集中します。 自分の体重がシートに預けられ、沈み込んでいる感覚を味わってください。

これは体の力を抜き、強張った筋肉を緩めるリラックス効果が高い方法です。

🌈 ちょっと一息
いずれの方法も、呼吸は「吐く息」を意識して、普段より少し長くゆっくり吐くようにしましょう ⇒ 副交感神経が優位になります

嫌な思考が浮かんできた時の「棚上げ術」

瞑想を始めても、必ず

 「今日会社に行きたくない」
 「あの仕事どうしよう」

といった嫌な思考が湧いてきます。 これは脳の自然な働きであり、失敗ではありません。 重要なのは、その思考に「気づく」ことです。

「思考」にラベルを貼る

嫌なことが頭に浮かんだら、無理に消そうとせず、こう心の中で唱えてください。

 「あ、今『嫌だ』と考えていたな」
 「あ、今『不安』を感じているな」

このように、自分の状態にラベルを貼る(ラベリング)だけで、思考と自分との間に距離が生まれます。

心の棚に「あとで置く」習慣

気づいた後は、

 「この件は会社に着いてから考えよう」

と心の中で宣言します。 そして、意識を再び「足の裏」や「つり革の感覚」に戻します。

  1. 思考が逸れる
  2. 逸れたことに気づく
  3. 感覚(足裏など)に戻す

この繰り返しのプロセスこそが、ストレスに負けない「心の筋肉」を鍛えるトレーニングなんです。

まとめ:会社に着く頃には「心のバリア」が完成している

この5分間の習慣は、あなたの心と体を守る大切な儀式です。 呼吸と体の感覚に集中することで、会社に着く頃には、過剰な緊張状態がほぐれやすくなります

この記事のポイント

  • 通勤電車はスマホをしまい、脳を休める「回復の時間」に変える
  • 目は閉じず、視線を一点に固定して視覚情報を制限する
  • 足の裏や手の感覚に意識を向けることで、不安な思考から離れる
  • 嫌な思考が浮かんでも「あとで考える」と棚上げし、感覚に戻ればよい

通勤電車を「嫌な場所」から「自分を整える場所」へと書き換え、穏やかな心で一日を始めましょう。

→ 関連ページ:『Step 3: 加害者と「心の防御壁」を築く方法』

→ 関連ブログ:『「マインドフルネス」でセルフケアを始めませんか?』

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