時短の強要が辛い… 上司を味方にする「前向きな」相談法

働き方改革が進む中
「残業はするな」
「定時で帰れ」
と厳しく言われる職場が増えています。 しかし、肝心の「業務量」は全く減らされず、
「どうやって終わらせればいいの?」
と途方に暮れてしまうことはありませんか?
真面目な人ほど、休憩時間を削ったり、隠れて仕事をしたりしてカバーしようとしますが、それでは心身が持ちません。
これは単なる個人の能力不足ではなく、ジタンハラスメント(時短ハラ)と呼ばれる構造的な問題かもしれません。
この記事では、板挟みの苦しみから抜け出すために、上司と角を立てずに業務量を調整する「前向きな交渉術」をQ&A形式で解説します。
Q1. そもそも「時短ハラ」って何ですか?
A. 業務削減の具体策なく、時間短縮だけを強要する行為のこと
「時短ハラ」とは、会社側が具体的な業務改善策や人員補充を行わず、現場の労働者にのみ
「労働時間の短縮」
を押し付けることを指します。
単に「早く帰れ」と言うだけでなく、以下のような状況が伴う場合、問題視されることがあります。
- 終わらない仕事を「能力不足」として評価を下げる
- 「持ち帰り残業」を暗黙の了解として強いる
- 業務の質を落とすことも許さない
それは「矛盾」した命令です
時間を減らせば、同じやり方では成果(量や質)も減るのが物理的な法則です。
「時間は減らせ、成果は維持せよ、方法は自分で考えろ」
というのは、現場に矛盾を押し付ける無理難題と言えます。
一人で抱え込まず、「これは構造的な問題なんだ」と認識することが、自分を守る第一歩になります。
Q2. 上司にどう切り出せばいいですか?
A. 「できません」ではなく、「優先順位を決めたい」と相談する
上司に窮状を訴える際、
「仕事が多すぎて終わりません」
とだけ伝えると、
「工夫が足りない」
「やる気がない」
と捉えられてしまうリスクがあります。 ポイントは、あくまで
「会社の目標を達成するために、効率化したい」
という前向きな姿勢を見せることです。
おすすめの交渉フレーズ
以下のように、判断のボールを上司に投げ、一緒にルールを決める形に持ち込みます。
- 優先順位の確認
⇒ 定時内に収めるために、今の業務の中で優先順位をつけたいのですが、ご相談できますか? - 質の調整(トレードオフ)
⇒ この資料作成に時間がかかっています。納期を守るために、今の8割程度の精度で提出してもよろしいでしょうか? - 廃止の提案
⇒ この会議はメール報告で代替し、その時間を営業活動に充てたいのですが、いかがでしょうか?
このように具体的な代替案を示すことで、上司も「それならOK」と承認しやすくなります。
「味方」になってもらう
相談する際は、
「上司vs自分」
という対立構造ではなく、「共通の課題(業務過多)を解決するチーム」というスタンスを取ることが大切です。
「効率化してチームの成果を上げたい」
と伝えることで、上司を味方につけることができます。
Q3. それでも「工夫してやれ」と丸投げされたら?
A. 相談した事実を記録し、自分の身を守る準備をしましょう。
残念ながら、精神論だけで具体的な指示をくれない上司もいます。 その場合は、無理に全てをこなそうとせず、万が一の評価ダウンに備えて事実を残しておくことが重要です。
業務の「可視化」リストを作る
口頭での指示は「言った言わない」になりがちです。 自分の業務内容とかかる時間をリスト化し、メールなどで共有しておきましょう。
- 業務A:所要時間 2時間/日
- 業務B:所要時間 3時間/日
- 突発対応:平均 1時間/日
このように可視化して、
「現状のリソースでは物理的に入りきらない」
という客観的なデータを示します。
相談実績を残す
「○月○日、業務量調整を相談したが、具体的な指示はなかった」
という記録(日記や自分宛てのメール)も有効です。 これは、後で「能力不足」と言われた際に、
「事前に相談し、指示を仰いだ」
という正当性を主張するための材料になります。
決して会社と争うためではなく、あなたが不当な扱いを受けないための保険だと考えてください。
まとめ:一人で抱え込まず「可視化」する
物理的に無理な仕事量は、あなたの能力不足ではありません。 現状を可視化して共有することが、自分と会社を守る第一歩です。
この記事のポイント
- 時短ハラは構造的な問題であり、一人で解決しようとしなくていい
- 「できません」ではなく「優先順位を決めたい」と提案する
- 相談しても解決しない場合は、業務を可視化して記録を残す
勇気を出して「相談」することは、決して逃げではありません。 それは、長く健康に働き続けるための、プロフェッショナルとしての業務調整なんです。
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