就業規則のどこを見れば「ハラスメント対策」がわかるか

ハラスメントの相談を受けたとき
「会社のルールとしてどうなっているのか知りたい」
と感じたことはありませんか。
実は、その答えの多くはあなたの勤務先の「就業規則」の中に書かれています。
でも、就業規則って堅い言葉が並んでいて、どこを読めばいいのか分かりづらいですよね。
この記事では、ここを押さえれば「ハラスメント対策」の姿勢が見えてくるというポイントを、専門家から伺った内容をもとに、一般の方にもわかりやすく整理してお伝えします。
読んだあと、「あ、自分の会社もちゃんと書いてあるかも」と安心できるようにお伝えしていきます。
まずは「ハラスメント防止規程」の項目を探してみましょう
就業規則の中には、ハラスメントに関する章や条項が設けられていることがあります。タイトルとしては
「ハラスメント防止規程」
「職場の環境整備」
「職場のモラルに関する事項」
など、会社によって呼び方はさまざまです。
ここを見れば会社の姿勢がわかります
- 定義が明記されているかどうか
- 「パワーハラスメント」「セクシュアルハラスメント」などの言葉の定義が書かれていると、会社が具体的に対策を意識している証拠です
- 禁止の明文化
- 「ハラスメントを行ってはならない」と明確に書かれているか。たった一文でも、職場のルールとして大切なメッセージになります
🔑 ワンポイント
ハラスメント防止の項目が見当たらないときは、就業規則の別冊や社内ポータルの付属文書に記載されている場合もあります
「相談窓口」「懲戒処分」に関する条文もチェック
就業規則には、社員が問題を感じたときにどこへ相談できるのか、また違反があった場合にどう扱われるのかが記載されていることがあります。
これは、会社が「問題を個人任せにしない仕組みを持っているか」を判断する重要な部分です。
チェックしたいポイント
- 相談窓口の明記
- 人事部・コンプライアンス担当・外部相談窓口など、相談経路が明示されているかを確認します。
- 匿名相談の可否
- 「匿名でも受け付ける」と書かれていれば、会社の意識はかなり高いといえます。
- 懲戒の対象に含まれているか
- 「ハラスメント行為を行った者は懲戒処分の対象とする」と明記されているかどうかで、再発防止への本気度が見えてきます。
🌈 ちょっと一息
相談窓口が書かれていないときは、総務や人事に『就業規則に相談窓口の記載はありますか?』と確認してみましょう
難しいと感じたら専門家に見てもらうのも一つの方法
条文の言葉が難しくて読みづらいと感じるときは、無理せず専門家の力を借りてみてください。
社会保険労務士(社労士)や産業カウンセラー、労働局の相談員などは、就業規則の文言を具体的に説明してくれます。
専門家が見てくれるポイント
- 書いてある文言と、実際の運用が一致しているか
- 曖昧な表現が、社員に不利な形で使われていないか
- 会社が義務として果たすべき「防止措置」をきちんと明記しているか
🔑 ワンポイント
就業規則は「読むもの」というより「使うもの」です。理解できない部分は一人で抱え込まず、専門家に相談してみましょう
まとめ
今回は、就業規則から「ハラスメント対策」を読み解くポイントを紹介しました。
この記事のポイント
- 「ハラスメント防止規程」の有無と内容で、会社の基本的な姿勢が見えてくる
- 「相談窓口」や「懲戒処分」の条文は、社員を守るための仕組みの有無を示している
- 難しい条文は、社労士や専門相談員に確認することで正確に理解できる
就業規則は、会社があなたを守るために用意した大切なルールブックです。
内容を少し知るだけでも、職場での不安が軽くなることがあります。自分を守るために、まずは一度、就業規則をゆっくり開いてみてください。
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