サザエさん症候群で休職? 傷病手当金をもらう条件と手順

日曜の夕方になると、胃が痛くなる
「月曜の朝、体が鉛のように重くて起き上がれない」
いわゆる「サザエさん症候群(ブルーマンデー)」は、多くの人が経験する憂鬱です。しかし、これが毎週続き、遅刻や欠勤が増えているなら、それは単なる甘えではありません。心の限界を知らせるサインです。
無理をして出社しなくても、「傷病手当金」という制度を使えば、給与の約3分の2を受け取りながら療養することができます。
この記事では、日曜夜の憂鬱を医学的な根拠に変え、生活費を守りながら休むための条件と手順を解説します。
ただの「憂鬱」でお金はもらえるのか
結論から言うと、一定の条件を満たせばもらえます。 ただし、
「サザエさん症候群だから手当をください」
と申請しても通りません。この憂鬱を、公的な手続きに乗せるための「翻訳」が必要です。
「サザエさん症候群」=「適応障害」の可能性
「サザエさん症候群」は俗称ですが、医師の診察を受けると「適応障害」や「うつ状態」という診断名がつくことがよくあります。 傷病手当金は、病名が何であれ「病気やケガで働けない状態」であれば支給対象になります。
つまり、「辛い」という感情を「医師の診断書」という書類に変えることが、お金をもらうための第一歩です。
傷病手当金をもらうための4つの条件
会社を休んでお金をもらうには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。なお、この制度は「会社の健康保険(社会保険)」の加入者が対象で、国民健康保険は原則対象外です。
- 業務外の病気・ケガであること
⇒ 仕事が原因のパワハラ等でも、労災認定はハードルが高いため、まずは傷病手当金を申請するのが実務上のセオリー - 仕事に就くことができないこと
⇒ 医師が「労務不能(働けない)」と認めている状態 - 連続する3日間を含み、4日以上休んでいること ⇒ 最初の3日間は「待期期間」として支給されないため、4日目から支給される(最初の3日は無給)
- 休んだ期間の給与が支払われていないこと
⇒ 有給休暇を使った日は支給されないため、欠勤扱いになる日が対象
「病院に行く」から「受給」までの最短ルート
では、日曜の夜に
「もう無理だ」
と思ってから、実際に制度を利用するまでの具体的な手順を見ていきましょう。
1. 症状をメモして心療内科を受診する
まずは診断書を入手します。医師に伝える際は、
「仕事に行きたくない」
だけでなく、身体的な症状を伝えると診断がスムーズです。
伝えるべきこと
「日曜の夜から動悸がする」「月曜の朝、吐き気で起きられない」「夜眠れない」など
2. 会社に診断書を出して休職する
医師から「適応障害(休職を要する)」などの診断書をもらったら、直ちに会社へ提出します。 ここで重要なのは、「医師の判断」を前面に出すことです。
「やる気の問題ではなく、ドクターストップがかかったので休みます」と伝えることで、会社側も手続きを進めざるを得なくなります。
3. 「傷病手当金支給申請書」を作成する
休職に入ったら、会社(または加入している健康保険組合)から申請書を取り寄せます。 この書類には、「医師の証明欄」と「会社の証明欄」があります。それぞれに記入を依頼し、保険組合へ郵送すれば申請完了です。
まとめ:逃げるのではなく「権利を行使」して休む
「月曜がつらい」というのは、あなたの心が発している緊急停止の合図です。それを無視して働き続ければ、本当に心が壊れてしまい、復帰までに何年もかかることになりかねません。
この記事のポイント
- 前提
⇒ サザエさん症候群は 適応障害 の可能性があり、傷病手当金の対象になる - 条件
⇒ 医師の診断を受け、連続3日以上 休むことで受給資格が発生する(最初の3日は待期期間) - 行動
⇒ 「甘え」と自分を責めず、診断書 を取って堂々と休む手続きをする
日本の社会保険制度は、あなたが働けなくなった時のために存在しています。毎月の給与から高い保険料を引かれているのは、まさにこの時のためです。
会社に気を使う必要はありません。まずは制度を使ってお金の不安を消し、ゆっくりと心を休めることに専念してください。それが、あなた自身を守るための最も賢い選択です。
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