毎月1.7万円が0円に? 退職者限定「国民年金」免除の全知識

ハラスメントに耐えかねて退職し
収入が途絶えてしまった後、ポストに届いた「国民年金保険料」の納付書を見て、その金額に青ざめたことはありませんか?
令和6年度の保険料は月額16,980円。年間で約20万円もの出費になります。
「今の貯金でこれを払い続けるのは無理… 」
と絶望し、そのまま納付書を見なかったことにして放置してしまう人もいますが、それは非常に危険です。
実は、退職者には失業特例という強力な免除制度が用意されており、手続きさえすれば、支払いを全額免除または猶予してもらえる可能性が高いんです。
この記事では、収入がない期間の生活を守るために知っておくべき、国民年金の免除申請について解説します。
「未納」と「免除」は天と地ほどの差がある
まず知っておいてほしいのは、お金がなくて払えない場合でも、絶対に未納(無視して払わないこと)にしてはいけないということです。
役所で「免除申請」を行い、それが承認された場合と、単に無視した場合とでは、以下のような決定的な違いがあります。
- 万が一の保障
⇒ 未納のまま事故や病気で障害を負っても「障害年金」が受け取れませんが、免除期間中なら受け取れる可能性があります - 将来の受給権
⇒ 未納期間は年金をもらうための期間(10年)に含まれませんが、免除期間は「支払ったもの」として期間にカウントされます
つまり、免除手続きをしておけば、今の支払いを止めつつ、万が一の時のセーフティネットは維持できるんです。
🔑 ワンポイント
免除期間中は一円も払っていなくても、将来受け取る老齢年金の受給資格期間(10年)のカウントにはしっかり含まれます
🔑 ワンポイント
※障害年金の受給には、初診日要件など保険料納付以外の条件も満たす必要があります
最強の切り札「退職(失業)特例」とは
「でも、去年までは働いていたから、所得制限で免除されないんじゃ…」
と心配する方もいるでしょう。 確かに通常の免除審査は「前年の所得」で行われます。
しかし、ここで使えるのが退職(失業)による特例免除です。 これは、申請書の「特例認定区分」を利用することで、申請者本人の所得を実質的にゼロとして審査してもらえる制度です。
これにより、前年にどれだけ年収があったとしても、現在は失業中であるという事実に基づいて審査されるため、「全額免除」や「納付猶予」が承認される可能性が極めて高くなります。
🌈 ちょっと一息
申請には失業していることを証明する書類が必要です。「雇用保険受給資格者証」または「離職票」のコピーを必ず用意して役所に行きましょう
デメリットと「追納」のすすめ
免除制度はメリットばかりのように見えますが、一つだけデメリットがあります。それは将来もらえる年金額が減ることです。 全額免除の場合、保険料を全額納めた時と比べて、将来受け取る年金額は2分の1(国庫負担分のみ)となります。
しかし、これには解決策があります。 追納制度を使えば、10年以内であれば後から保険料を納めることができ、年金額を満額に戻すことが可能です。
今は生活防衛を最優先にし、再就職して経済的に余裕ができてから追納すれば、何の問題もありません。
🔑 ワンポイント
※追納ができるのは10年以内ですが、3年度目以降に追納する場合は当時の保険料に一定額の加算金(利息のようなもの)が上乗せされるため注意が必要です
まとめ:権利を行使して生活防衛を
役所の窓口で「お金がない」と相談するのは、少し勇気がいることかもしれません。 しかし、これは恥ずかしいことではなく、法律で認められた正当な権利です。
無理をして貯金を切り崩す前に、まずは役所の国民年金課へ行き、免除の手続きを行いましょう。手元の現金を死守することは、ハラスメントで傷ついた心を癒やす期間を確保することにも繋がります。
この記事のポイント
- 未納のまま放置すると、万が一の時に障害年金が受け取れないリスクがある
- 退職者は特例制度により、前年の所得に関係なく全額免除になる可能性が高い
- 将来の年金額は減るが、10年以内なら後から払う追納でカバーできる
お金の不安は、ボディブローのようにじわじわと気力を奪っていきます。だからこそ、使える制度をフル活用して「出ていくお金」を止めることが、今のあなたにとって最大の防御策になります。
手続きを終えて役所を出る頃には、肩の荷が一つ降りて、少しだけ足取りが軽くなっているはずです。焦らず一つずつ、生活の基盤を整えていきましょう。
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