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退職後でも変更可能 会社都合扱いで失業保険をもらう方法

退職後でも変更可能 会社都合扱いで失業保険をもらう方法
退職後でも変更可能 会社都合扱いで失業保険をもらう方法

「もう限界だ」と感じて退職届を出す際

手続きをスムーズに進めるために

 「一身上の都合(自己都合)」

として提出してしまうケースは少なくありません。

しかし、いざハローワークに行くと、自己都合退職には2ヶ月以上の給付制限期間(待期期間)があり、その間は手当が支給されないという現実に直面します。

 「事情があって退職したのに、すぐに支援を受けられないのか」

そう不安に思う必要はありません。

実は、退職届に「自己都合」と書いてしまっていても、ハローワークでの手続きによって、後から会社都合扱い(特定受給資格者)に変更できる可能性があります。

この記事では、会社と直接交渉することなく、国の制度を使って生活基盤を守る方法を解説します。

会社と直接交渉する必要なし 「特定受給資格者」という制度

多くの人が誤解していますが、失業保険の条件を変えるために、退職した会社に連絡して

 「離職票を書き換えてくれ」

と頼む必要はありません。

離職理由を最終的に判定するのは、会社ではなくハローワーク(公共職業安定所)だからです。

行政が認める「会社都合相当」の退職

ハローワークには、形式上は自己都合退職であっても、実質的にやむを得ない事情(就労環境の問題や長時間労働など)があった場合、会社都合退職と同じ手厚い給付を受けられる特定受給資格者という枠組みがあります。

これに認定されると、以下の大きなメリットが得られます。

  • 給付制限の解除
    ⇒ 申請から約1週間後(待期期間満了後)すぐに受給が開始される
  • 給付日数の増加
    ⇒ 年齢や勤続年数等の条件により、自己都合よりも長く支給される場合がある(最大330日)
  • 保険料の軽減
    ⇒ 国民健康保険料が大幅に減額される対象となる

会社への連絡は不要

この手続きは、あなたがハローワークに対して「事実」を申告し、ハローワークがそれを認定するものです。 会社に許可を取る必要はなく、会社と直接やり取りをする必要もありません。

行政が

 「これは制度の対象となる退職だ」

と認めれば、会社の主張に関わらず扱いは変更されます。

認定に必要な「3つの証拠」とは

ハローワークは公平な第三者機関であるため、口頭での説明だけでは認定が難しい場合があります。 事実を裏付ける客観的な資料の提出が求められます。

事情により退職した場合、以下のような資料が有効です。

① 事実関係の記録

いつ、どこで、どのようなことがあったかを示す記録です。

  • 録音データ
    ⇒ 強い口調での指導や、退職勧奨を受けている音声
  • メール・チャット
    ⇒ 業務時間外の連絡や、業務に関連しない内容の文面
  • 詳細な日記
    ⇒ 日付入りの手帳などに書かれた、具体的な出来事の記録

② 公的機関や窓口への相談実績

退職前に改善を求めていたことを証明する記録です。

  • 相談の事実
    ⇒ 社内の相談窓口や、労働基準監督署への相談控え
  • 事実関係の調査結果
    ⇒ 会社側が事実を認めた調査報告書(あれば決定打となる)

③ 医師の診断書

心身に影響が出ていたことを証明するものです。

  • 診断書の内容
    ⇒ 「就労可能だが、環境要因により当該職場での勤務は困難」といった記載があるもの
  • 通院歴
    ⇒ 退職前から通院していたことがわかる領収書やお薬手帳

これらの資料を揃えることで、単なる自己都合ではなく、制度の趣旨に合致した退職であることを行政に確認してもらいます。

🔑 ワンポイント
資料が完璧でなくても諦めないでください。複数の状況証拠を組み合わせることで認定されるケースも多々あります

具体的な手続きフロー(異議申立)

では、実際にどのように手続きを進めればよいのでしょうか。 退職後、会社から「離職票」が届いてからの流れを解説します。

ステップ1:離職票の記載を確認する

会社から届いた離職票の「離職理由」欄には、おそらく「4D(一身上の都合)」などにチェックが入っているはずです。

この時点では、会社に対して訂正を求めたりする必要はありません。 そのまま受け取り、ハローワークへ向かいます。

ステップ2:窓口で事情を説明する

ハローワークでの求職申込みの際、職員にこう伝えてください。

「離職票には自己都合とありますが、実際は職場の環境が原因での退職です。異議を申し立てたいです」

これにより、通常の申請とは別の審査ラインに乗ることができます。

ステップ3:資料の提出と調査

職員の指示に従い、用意した資料を提出し、ヒアリングを受けます。 その後、ハローワークから会社に対して事実確認の連絡が入ります。

会社が事実を認めれば原則として認定となりますが、もし会社と主張が食い違った場合でも、提出した資料の信憑性が高いと判断されれば、ハローワークの職権で「特定受給資格者」への変更が決定されます。

まとめ:正当な給付を受け取り、安心して次へ進む

「自己都合」という言葉に縛られて、本来受け取れるはずの支援を諦める必要はありません。

日本の雇用保険制度は、やむを得ない事情で職を失った人が、安心して次のステップへ進めるように設計されています。

この記事のポイント

  • 退職届が「自己都合」でも、ハローワークで会社都合扱いに変更可能である
  • 「特定受給資格者」になれば、給付制限がなくなり支給日数も増える
  • 会社と争うのではなく、客観的な資料を行政に提出して認定を受ける

この手続きを行うことは、あなたのわがままではなく、再就職に向けた環境整備の一環です。 経済的な不安(給付制限期間)を解消し、焦らずじっくりと、あなたが本当に輝ける次の職場を探すための時間を確保してください。

窓口で事情を伝えるという「一歩」を踏み出すこと。 それが、新しい生活を安定させるための鍵となります。

→ 関連ページ:『休職・退職時に使える、あなたの権利「公的支援」完全ガイド』

→ 関連ブログ:『失業保険で損しない「期間の延長」申請の知識とは?』

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