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男性育休取得率が急上昇? データに潜む取るだけ育休の実態

男性育休取得率が急上昇? データに潜む取るだけ育休の実態
男性育休取得率が急上昇? データに潜む取るだけ育休の実態

厚生労働省の調査によると

男性の育児休業取得率は1996年度の0.12%から、直近では30%を超える勢いで急上昇しています。 しかし、この数字の飛躍的な伸びの裏側で、家事育児の実態が伴わない

 「取るだけ育休」

が深刻な社会問題となっています。

この記事では、専門的な知見に基づき、法改正によって会社に課された真の義務と形骸化した育休への対処法を詳しく解説します。

制度の表面的な数字に惑わされず、家庭とキャリアを真に両立させるための確かな一歩を導き出しましょう。

急増する男性育休の背景と会社側の義務

改正育児・介護休業法の施行により、会社には従業員に対する個別の取得意向確認と、制度の周知が法律で義務付けられました。 これにより、男性労働者が自身の権利として育休を申し出やすい環境が社会全体で急速に整備されています。

しかし、一部の会社では対外的な数値目標の達成のみを目的とし、取得の中身を問わないケースも見受けられます。 2026年現在、取得率の公表義務は従業員300人超の会社まで拡大されており、企業にとって育休は重要な経営指標となっています。

法律が定める会社側の正しい対応

会社が果たすべき義務は、単に休ませることではなく、労働者が安心して育児に専念できる環境を整えることです。 原則として、育休の期間は労働者の申出によって決定されることが法律の基本原則です。

  • 取得意向の確認
    ⇒ 会社は労働者に対し、個別に取得の意思を確かめなければならない
  • 周知と環境整備
    ⇒ 相談窓口の設置や研修を行い、労働者が不利益を被らない措置を講じる
  • 申出による期間決定
    ⇒ 会社が一方的に「数日だけ」と期間を強制することはできない

🔑 ワンポイント
育休の取得意向を確認された際、自分の希望する期間を堂々と伝えることが大切です。

会社側が数字稼ぎのために極端に短い期間を求めてくる場合、それは制度の趣旨を逸脱している可能性があります。 育休は労働者の権利であり、会社側の都合で一方的に取得時期や期間を制限される筋合いはありません。

「取るだけ育休」に潜む法的リスクと不利益

「取るだけ育休」は法律用語ではありませんが、家事育児に従事しない休業は、結果として職場や家庭に多大な悪影響を及ぼします。 特に、会社側が

 「数字のためだけに休め」

と形式的な取得を強いることは、正当な権利行使を妨げる行為です。

このような形骸化した育休は、復職後の不当な低評価や、いわゆるパタハラ(パタニティ・ハラスメント:男性の育児休業取得や時短勤務などを理由に、上司や同僚が行う嫌がらせや不当な扱い)を誘発する引き金になりかねません。

育休取得を理由とした不利益な取り扱いは法律で厳格に禁止されており、会社は高い法的リスクを負うことになります。

職場での信頼と評価を守るために

実態の伴わない育休は、職場での信頼関係を損ない、結果としてあなた自身の首を絞めることになりかねません。 周囲の協力への感謝を忘れず、育休の目的である

 「育児への専念」

を実証する姿勢が自己防衛に繋がります。

  • 不利益取扱いの禁止
    ⇒ 育休を理由に昇進や昇給で不利な扱いをすることは違法である
  • 証拠としての記録
    ⇒ 育休中の活動を簡潔にメモしておくことで、不当評価に対する反論材料になる

🌈 ちょっと一息
育休中の活動記録は、万が一のトラブル時に「正当な権利行使」を証明する武器になります。

会社側が

 「育休を取ったから仕事への意欲が低い」

といった偏見に基づいた判断を下すことは許されません。 客観的な事実に基づき、自身の正当性を主張できる準備を整えておくことが、キャリアを守る鍵となります。

質の高い育休を実現し未来を守る戦略的対処法

会社と良好な関係を保ちつつ、実効性のある育休を実現するには、取得前からの戦略的なコミュニケーションが不可欠です。 権利だけを主張するのではなく、復職後のキャリアを見据えた前向きな調整を行うことが、自身の立場を優位にします。

感情的な対立を避けつつ、業務の引き継ぎや復職後の役割について、会社側と具体的な合意を形成しましょう。 制度を形骸化させないためには、労働者側から具体的なプランを提示することが極めて有効です。

会社と円満に合意すべき三つのステップ

形骸化を防ぐためには、口頭の約束ではなく、将来のトラブルを回避するための「書面による合意」を目指しましょう。 以下の手順を参考に、冷静かつ論理的な交渉を心がけてください。

  1. 休業計画の明文化
    ⇒ 取得期間中の業務代行体制を整理し、書面で会社と共有する
  2. 復職後の待遇確認
    ⇒ 育休取得が不当な配置転換に繋がらないか、事前に念押ししておく
  3. 外部窓口の把握
    ⇒ 万が一の不利益扱いに備え、労働局などの相談先を確認しておく

🔑 ワンポイント
不利益な扱いを感じた際は、迷わず労働局の総合労働相談コーナーを活用しましょう。

適切な手順を踏むことで、会社側も安易な不当扱いはできないことを認識します。 自身の正当な権利を静かに主張し続けることが、あなたと家族の未来を最も確実に守るための賢い選択となるはずです。

まとめ:実態のある育休取得で家庭とキャリアを守る

育休取得率の向上という社会的な流れを、自分自身の人生を豊かにするための本当のチャンスに変えていきましょう。

この記事のポイント

  • 会社側の義務内容
    ⇒ 会社は労働者に対し意向確認と周知を行う法的義務がある
  • 労働者の主導権
    ⇒ 育休期間は原則として本人の申出によって決まるものである
  • 不当評価の防止
    ⇒ 復職後の不利益を防ぐため休業計画を明文化し合意を得る

数字だけの育休に満足せず、制度の本来の目的である家族との時間を大切にしてください。 正しい知識を持って準備を進めることで、会社との信頼関係を保ちながら充実した育休を過ごすことが可能です。

一人で抱え込む必要はありません。 専門の相談機関や制度を賢く活用し、不安を解消しながら、明日への確かな一歩を力強く踏み出しましょう。

→ 関連ページ:『なぜ人はハラスメントをしてしまうのか』

→ 関連ブログ:『なぜ加害者はクビにならない? 会社が恐れる「不当解雇」』

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