「3歳の壁」が消滅？ 改正育児・介護休業法で得た新しい権利
2025年は、働くパパ・ママにとって
「法律が大きく味方してくれた年」
と言えるでしょう。
これまで多くの人が直面し、キャリアの継続を諦める原因となっていた
「3歳の壁（時短勤務の終了）」
「小1の壁（放課後の居場所問題）」
これらを乗り越えるための強力な法的サポートが、4月と10月の法改正によって次々と整備されました。
しかし、いくら制度が整っても「知らなければ使えない」のが法律の怖いところです。
この記事では、今年変わったばかりの最新法改正のポイントと、あなたが今すぐ使える「新しい権利」について解説します。
最大の朗報「残業免除」が小学校入学まで延長
まず、今回の改正で最も多くの家庭を救うのが、残業免除（所定外労働の制限）の期間延長です。
これまでは「3歳になるまで」しか認められていなかった残業免除の権利が、2025年4月から「小学校就学前」まで大幅に延長されました。
「お迎えの時間」を守る強力な権利
これにより、子供が保育園に通っている間は、原則として会社に残業を命じられることがなくなりました。
夕方の会議や急なトラブル対応で、お迎えの時間に遅れる恐怖から解放される意義は非常に大きいです。もし会社から
「3歳過ぎたから残業できるよね？」
と言われても、
「原則としてできません」
と断る正当な権利があるんです。
🔑 ワンポイント
法律上の権利ですが、会社の運営が著しく困難になる場合など、例外的に認められないケースも存在します。就業規則を確認し、早めに申請しておきましょう
「3歳の壁」を壊す柔軟な働き方
「時短勤務が終わる3歳以降、フルタイムに戻るのは体力的に無理…」
そんな悩みに応えるため、2025年10月からは新しい仕組みがスタートしています。
3歳から小学校入学前の子を育てる従業員に対し、会社は「柔軟な働き方」を実現するための措置（選択肢）を用意する義務が課されました。
選べる働き方のメニュー
会社は、国が示した以下の措置の中から2つ以上を選んで制度化しなければなりません。そして、従業員はその中から自分に合ったものを1つ選んで利用できます。
- 始業時刻等の変更（フレックスタイム制など）
- テレワーク（在宅勤務）
- 短時間勤務制度
- 新たな休暇の付与
- 保育施設の設置運営等
これまでは「時短が終わったらフルタイムか退職か」という極端な二択を迫られがちでした。
しかしこれからは、
「週3日はテレワークでフルタイム」
「フレックスで早上がり」
といった柔軟な調整が可能になります。
🌈 ちょっと一息
「うちは制度がないから」という上司の言葉は、10月以降は法律違反の可能性があります。会社の対応状況をチェックしてみましょう
「子の看護休暇」も使いやすく進化
子供が熱を出した時に休める「子の看護休暇」も、今回の改正で劇的に使いやすくなりました。
以前は「小学校入学前」まででしたが、対象年齢が「小学校3年生修了」まで引き上げられています。
行事参加や学級閉鎖も対象に
さらに嬉しいのが、休暇を取得できる理由の拡大です。これまでは病気やケガの看護に限られていましたが、今回の改正で以下の場合も取得可能になりました。
- 感染症に伴う学級閉鎖
- 入園式・卒園式・入学式への参加
名称も「子の看護等休暇」に変更され、病気の時だけでなく、子供の成長を見守るための休みとしても活用できるようになったのは大きな前進です。
まとめ：法律を「お守り」にして働く
法律は整いましたが、職場によってはまだ
「権利を主張しにくい空気」
があるかもしれません。
しかし、これらは国が「子育てと仕事を両立するために必要だ」と認めた正当な権利です。誰かに遠慮する必要はありません。
この記事のポイント
- 残業免除の権利が「3歳まで」から小学校入学前まで延長された
- 3歳以降も柔軟な働き方（テレワークや時短など）を選べるようになった
- 子の看護等休暇は小3修了まで使え、学級閉鎖や入学式も対象になった
これらの新しい制度を「お守り」として持ち、無理なく、そしてあなたらしく、キャリアと育児の両立を続けていきましょう。
制度は使うためにあります。会社側も対応を進めているはずですので、まずは就業規則を確認したり、人事担当者に相談したりすることから始めてみてください。
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