病院では「異常なし」… その頭痛・腹痛は心が送るSOS

会社に行こうとすると、お腹が痛くなる
「休日の夕方から、締め付けられるような頭痛がする」
このような症状に悩み、病院で検査を受けても
「特に異常はありません」
「ストレスでしょう…」
と言われてしまった経験はありませんか?
原因が分からないまま痛みだけが続くと、
「自分は弱いのではないか」
「サボりたいだけではないか」
と自分を責めてしまいがちです。
しかし、その痛みは決して「気のせい」ではありません。 それは、言葉にならない心の叫びを、体が代わりに表現してくれているSOSサインなのです。
※はじめに この記事は、医師の診察を受けて「体の病気(器質的疾患)ではない」と診断された方を対象としています。 まだ受診していない方や、痛みが激しい場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診してください。
この記事では、体が発する痛みのメッセージを読み解き、自分自身をいたわるための考え方について解説します。
なぜ心より先に「体」が反応するのか
本来、ストレスを感じると「辛い」「休みたい」という感情が湧きます。 しかし、責任感が強く真面目な人ほど、その感情を理性の蓋で抑え込んでしまいがちです。
- 「これくらいで弱音を吐いてはいけない」
- 「みんな頑張っているんだから」
こうして行き場を失ったストレスは、最終的に自律神経を介して「体」に表れます。 これを精神医学や心理学の用語で「身体化」と呼びます。
体が押してくれる「緊急停止ボタン」
心が限界を迎えて壊れてしまう前に、体が先回りして
「これ以上進むと危険だ!」
と警告を発しているんです。 つまり、その痛みはあなたを苦しめる敵ではなく、あなたを守ろうとしている防衛本能だと言えます。
症状別・痛みが伝えるメッセージ
心身医学などの分野では、痛む場所によって、抑圧された感情の傾向が読み取れることがあります。 もちろん個人差はありますが、あなたの痛みはどのようなメッセージを伝えているのでしょうか。
頭痛:「考えすぎ」と「怒りの抑制」
慢性的な頭痛(緊張型頭痛など)は、常に気を張り詰め、歯を食いしばって耐えている人に多く見られます。
- 過剰な責任感
⇒ 「私がやらなければ」と脳をフル回転させている - 抑え込んだ怒り
⇒ 理不尽な扱いに対する怒りを、頭の中で必死に処理しようとしている
まるでヘルメットのように頭を締め付ける痛みは、
「もうこれ以上、考えなくていいよ」
というサインかもしれません。
腹痛:「不安」と「飲み込んだ言葉」
胃や腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、精神的なストレスに敏感な臓器です。 ここが痛む場合、以下のような感情が隠れていることがあります。
- 消化できない出来事
⇒ 納得できない指示や暴言を、無理やり飲み込もうとしている - 言いたいことが言えない
⇒ 反論したいけれど、怖くて言葉を腹の底に溜め込んでいる
お腹の痛みは、
「嫌なものは嫌だと言っていい」
「無理に飲み込まなくていい」
と教えてくれている可能性があります。
薬を飲むときに「自分」にかける言葉
痛みが辛いときは、無理せず鎮痛剤を頼ることも大切です。痛みを我慢する必要はありません。 ただ、薬で痛みを和らげると同時に、根本的なSOSにも応えてあげましょう。
薬を飲むタイミングで、自分の体に感謝と許可の言葉をかけてあげてください。
体への感謝
「教えてくれてありがとう。無理させてごめんね」
痛みを邪魔者扱いせず、守ってくれていることに感謝します。 体をさすりながらこう唱えるだけで、緊張していた神経がふっと緩むことがあります。
休むことへの許可
「今日は全力で休もう。それは逃げではなく、メンテナンスだ」
体がSOSを出しているときは、堂々と休む権利があります。
「休んではいけない」
という思い込みを手放し、まずは体を温めて、泥のように眠りましょう。
まとめ:痛みはあなたを守る「味方」
原因不明の痛みは、あなたの心が壊れないように体が張ってくれたバリアです。 そのサインを受け取れるのは、世界であなただけしかいません。
この記事のポイント
- 検査で異常がない痛みは、心のストレスが身体化したものである可能性が高い
- 頭痛や腹痛は、抑え込んだ感情(怒りや不安)のサインかもしれない
- 痛み止めを活用しつつ、体からのSOS(休めという合図)にも耳を傾ける
「痛い」と感じたら、それは「止まれ」の合図です。 今は立ち止まって、頑張りすぎた心と体をゆっくりと癒やしてあげてください。
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