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その「やらなきゃ」は本当? 自分を追い詰める思考の緩め方

その「やらなきゃ」は本当? 自分を追い詰める思考の緩め方
その「やらなきゃ」は本当? 自分を追い詰める思考の緩め方

会社に行かなければならない

 「期待を裏切ってはいけない」
 「もっと強くならなければならない」

あなたの頭の中は、こんな言葉で埋め尽くされていませんか?

真面目で責任感が強い人ほど、自分自身を「ねばならない(Must)」という言葉で縛り付け、逃げ場をなくしてしまいがちです。

特にハラスメントを受けている状況では、

 「攻撃されないように完璧にやらなきゃ」

という防衛本能も働き、心は常に張り詰めた状態になります。これでは、休まる暇がありません。

この記事では、あなたを追い詰める「義務感」の正体を暴き、少しだけ思考を緩めて心を軽くするための3つのステップをご紹介します。

1. 「ねばならない」は自分を傷つける刃物

心理学(特に認知行動療法など)では、「~すべき」「~せねばならない」という考え方が強すぎる状態を、「認知の歪み」や「イラショナル・ビリーフ」の一つと考えます。

この思考の怖いところは、自分にも他人にも厳しくなってしまうことです。

  • 自分に対して
    ⇒ 「ミスをしてはいけない」と過度なプレッシャーをかけ、できなかった時に「自分はダメな人間だ」と激しく自己否定してしまう
  • 状況に対して
    ⇒ 「辛くても耐えなければならない」と思い込み、限界を超えてもSOSが出せなくなってしまう

まずは、その「ねばならない」という言葉が、あなたを守る盾ではなく、あなた自身を傷つける刃物になっていることに気づくことが大切です。

2. その「やらなきゃ」を疑ってみる

思考を緩めるための第一歩は、その義務感が「真実かどうか」を疑うことです。

「誰が」決めたルールなのか?

あなたが「やらなきゃ」と思っていることの多くは、実は法律でも社則でもなく、あなた自身が作り出した「マイルール」かもしれません。

  • 「休んではいけない」
    ⇒ 本当に? 体調不良で休む権利は誰にでもあります。休んだら会社が潰れますか? おそらく、なんとかなります
  • 「期待に応えなければならない」
    ⇒ 本当に? 相手の期待は相手の勝手な願望です。あなたが全てを背負う必要はありません

一度立ち止まって、

 「それは本当に、私の命より大切なこと?」

と問いかけてみてください。

3. 語尾を「~するほうが良い」に変える

いきなり考え方を変えるのは難しいですが、「言葉」を変えることは今日からできます。心の中で唱える言葉の語尾を、少しだけ変えてみましょう。

Must(義務)からBetter(ベター)へ

「絶対に~せねばならない(Must)」という言葉を、「できれば~したほうが良い(Better)」や「~することを選択する(Choose)」に置き換えます。

  • 会社に行かなければならない
    ⇒ 「生活費のために、今日は会社に行くことを選択する
  • 完璧にやらなければならない
    ⇒ 「完璧ならベターだが、60点でも合格とする」

「やらされている」のではなく「自分で選んでいる(あるいはベターな方を選んでいる)」という感覚を取り戻すだけで、心の重圧は驚くほど軽くなります。

🔑 ワンポイント
「逃げてはいけない」ではなく「逃げたほうが安全」と言い換えてみましょう。言葉が変われば、見える景色も変わります。

まとめ:心の荷物を下ろす勇気を持つ

「ねばならない」という鎖を解くことは、決して「怠け」や「甘え」ではありません。それは、あなたが心身を守り、あなたらしく生きるための、大切な自己防衛(セルフケア)です。

  • 思考を疑う
    ⇒ その「やらなきゃ」は本当に絶対なのか?と問いかける
  • 言葉を変換する
    ⇒ 「~するほうがベター」「~を選択する」と言い換える
  • 60点主義
    ⇒ 命を守る時期に完璧主義は不要。60点で自分を許すことが最大の防御になる

重たい荷物を一度下ろして、深呼吸してみましょう。 あなたは、もっと自由であっていいんです。

この記事のポイント

  • 「~せねばならない」は認知の歪みであり、SOSを出しにくくさせる原因になる
  • それは本当?」と疑うことで、無意識のマイルールに気づくことができる
  • 「義務(Must)」を「選択(Choose)」と言い換えるだけで、自己コントロール感が戻る

自分を縛るロープを少し緩めて、今日の自分に「お疲れ様」と言ってあげてください。

→ 関連ページ:『あなたの要求を冷静に、かつ明確に伝える技術』

→ 関連ブログ:『ストレスを溜めない「完璧主義」との向き合い方』

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