LINEグループで無視され続けた若手従業員 デジタル時代の闇

業務連絡や情報共有のために使われる
LINEやSNSグループ
しかし、その手軽さが新たなハラスメントの温床となっていることをご存知でしょうか?
「既読スルー」や「業務連絡からの意図的な排除」など、一見些細に見える行為が積み重なることで、若手従業員の心を深く傷つけ、うつ病などの深刻な精神疾患に発展するケースが実際に起きています。
これは現代社会特有の新しいタイプのハラスメントです。
今回は、実際に報告されている事例をもとに、LINEを使ったハラスメントがなぜ精神的な苦痛を与えるのか、そして被害者がどう自分を守るべきかについて見ていきます。
LINEハラスメントがもたらす「見えない暴力」
LINEグループでの無視や仲間外れは、物理的な暴力とは異なり、一見しただけではその被害が見えにくいのが特徴です。しかし、その精神的なダメージは従来のいじめやパワハラに劣るものではありません。
1. 情報遮断による業務妨害と孤立化
最も深刻な被害は、業務上の重要な情報がLINEグループで共有されているにもかかわらず、そこから排除されることです。
業務上の支障
- 会議時間の変更や緊急連絡が伝わらず、業務に遅れが生じる
- 共有されるべき資料や情報にアクセスできず、仕事が進められない
- 結果として「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまう
🔑 ワンポイント
業務に必要な情報から排除されることは、明確なパワハラの一形態です
心理的な孤立
- 自分だけ情報を持っていないことで、チームの一員ではないと感じるようになる
- 同僚との会話についていけず、次第に職場に居場所がなくなっていく
- 「自分が悪いのかも」という自己否定の感情に陥りやすい
2. 監視と心理的プレッシャー
一方、グループ内で頻繁にメッセージが飛び交う環境では、
「既読をつけなければいけない」
「すぐに返信しなければいけない」
といった無言の圧力が生じます。これが過度なストレスとなり、業務時間外でも常に携帯を気にしなければならない状態を作り出します。
LINEハラスメントから自分を守る3つのステップ
もしあなたがLINEグループでの無視や排除に苦しんでいるなら、一人で抱え込まず、以下のステップで自分を守りましょう。
ステップ1:証拠の保全と記録
まず、ハラスメントの事実を証明するための証拠を集めます。
記録すべき内容
- スクリーンショット
⇒ グループ内でのやり取りや、自分だけが既読スルーされている状況 - 日時と状況のメモ
⇒ 「いつ」「誰に」「何を」されたかを詳細に記録 - 業務への影響
⇒ 情報不足により生じた具体的な支障
これにより証拠の信憑性が高まり、相談時に状況を正確に伝えることができます。
ステップ2:冷静なコミュニケーションの試み
感情的にならず、まずは冷静に状況を改善する対話を試みます。
具体的なアプローチ
- 直接の上司への相談
⇒ 信頼できる上司に、LINEグループでの情報共有が不十分であることを伝える - 業務効率化の提案
⇒ 「メールや社内チャットツールでの連絡をメインにしませんか」と提案し、角を立てずに問題解決を図る
🌈 ちょっと一息
個人的な感情論ではなく、業務効率の観点から話すことで、建設的な解決につながりやすくなります
ステップ3:社内相談窓口や外部機関への相談
状況が改善しない場合は、一人で悩まず専門の窓口に助けを求めましょう。
相談先の選択肢
- 人事部やハラスメント相談窓口
⇒ 会社に設置されている専門部署に、具体的な証拠とともに被害を報告 - 労働基準監督署
⇒ 労働環境の悪化として、公的な機関に相談することも検討 - 外部の相談窓口
⇒ 社内での解決が困難な場合の選択肢
まとめ
LINEやSNSは、本来私たちの生活を豊かにするためのツールです。それが精神的な苦痛の原因となっているのであれば、それは明らかに異常な状況です。
あなたの心が「おかしい」と感じているなら、それはハラスメントのサインかもしれません。勇気を出して一歩を踏み出し、自分を守るための行動を始めてみませんか。
一人で悩む必要はありません。適切な対処法を知り、必要に応じて専門家の力を借りることで、きっと状況は改善できます。
あなたらしく働ける環境を取り戻すために、今できることから始めていきましょう。
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