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面接で「家族のこと」聞かれたら? 違法になる境界線と対処法

面接で「家族のこと」聞かれたら? 違法になる境界線と対処法
面接で「家族のこと」聞かれたら? 違法になる境界線と対処法

ご両親はどんなお仕事をされていますか?

 「結婚や出産の予定はありますか?」
 「愛読書や、尊敬する人物を教えてください」

採用面接の場で、このような質問をされて「モヤッ」とした経験はありませんか?

 「業務に関係あるのかな?」

と疑問に思いつつも、合否への影響を恐れて無理やり答えてしまった方も多いでしょう。

実は、これらの質問の多くは、厚生労働省の指針によって制限されており、場合によっては「就職差別」につながる不適切な行為とされています。

この記事では、なぜ採用選考でプライベートなことを聞いてはいけないのか、その法的な理由と、実際に聞かれたときの賢い対処法を解説します。

なぜ「個人の秘密」を聞くことが問題なのか

企業には「採用の自由」がありますが、それは無制限ではありません。 採用選考は、あくまで

 「応募者の適性・能力」

のみを基準に行われるべきであり、それ以外の要素で合否を判断することは差別につながる恐れがあるからです。

法律とガイドラインによる規制

職業安定法第5条の4では、求職者の個人情報を収集する際、業務の目的達成に必要な範囲に留めるよう定めています。 また、厚生労働省は

 「公正な採用選考の基本」

として、応募者の基本的人権を尊重し、適性・能力に関係のない事項を把握しないよう強く指導しています。

🔑 ワンポイント
面接官が悪気なく、単なるアイスブレイク(緊張ほぐし)のつもりで聞いてくるケースも多々あります。しかし、意図はどうあれ、答えにくい質問をすることは、現代の採用基準においては不適切とされています。

これってアウト? よくある「不適切な質問」リスト

具体的に、どのような質問が行政指導などで「不適切(NG)」とされるのでしょうか。 大きく分けて

 「本人に責任のない事項」
 「本来自由であるべき事項(思想・信条)」

の2つのカテゴリがあります。

1. 本人に責任のない事項

自分ではどうにもできない事柄を判断材料にすることは、公正な選考を妨げる要因となります。

  • 本籍・出生地
    ⇒ 「お生まれはどちらですか?」「ご実家はどのあたりですか?」
  • 家族に関すること
    ⇒ 「お父さんの職業は?」「親の介護の必要は?」
  • 住宅状況
    ⇒ 「持ち家ですか、賃貸ですか?」「間取りは?」

🌈 ちょっと一息
戸籍謄本や住民票の写しを提出させることも、内定後の事務手続き以外では原則として認められていません。選考段階でこれらを要求された場合は、注意が必要です

2. 本来自由であるべき事項(思想・信条)

憲法で保障されている「内心の自由」に踏み込む質問も、適性や能力とは無関係であるため不適切です。

  • 宗教・支持政党
    ⇒ 「信仰している宗教はありますか?」「支持する政党は?」
  • 人生観・生活信条
    ⇒ 「尊敬する人物は誰ですか?」「座右の銘は?」
  • 労働組合・社会運動
    ⇒ 「学生時代、デモに参加したことはありますか?」
  • 愛読書
    ⇒ 「普段どんな本や新聞を読んでいますか?」

その場でどう切り返す? 賢い対処法とマインド

もし面接でこれらの質問を投げかけられた場合、真正面から答える必要はありません。 しかし、露骨に拒否して場の空気を壊すのも怖いものです。ここでは、実務的な切り返し方をいくつか紹介します。

質問の意図を確認する(やんわりとかわす)

「恐れ入りますが、そのご質問は選考にどのように関係するのでしょうか?」

と、穏やかに意図を尋ねる方法です。 まともな面接官であれば、ハッとして質問を取り下げるか、業務との関連性(例:転勤が可能か知りたいなど)を説明するはずです。

無難な回答でやり過ごす

どうしても入社したい企業であれば、当たり障りのない回答をしてやり過ごすのも一つの手です。

思想や信条に関する質問は本来答える義務がないため、選考を通過するために一般的な回答をしたとしても、法的に責められることはまずありません。

🔑 ワンポイント
不適切な質問をする会社には、「古い体質のまま変われていない」か「コンプライアンス意識が低い」可能性があります。面接は企業があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが企業の体質を見極める場でもあります

まとめ:その違和感は、あなたの「SOSサイン」

面接でプライベートな質問をされて不快に感じたなら、その感覚は決して間違いではありません。 それはあなたの尊厳を守るための、正常な防衛反応です。

この記事のポイント

  • 採用選考は 適性・能力 のみを基準に行うのが大原則
  • 家族、本籍、愛読書などの質問は 就職差別 につながるため原則NG
  • 不適切な質問への対応で、その企業の 企業文化 を見極めることができる

 「質問に答えられなかった自分」

を責める必要は一切ありません。古い慣習にとらわれた質問に戸惑うのは当然のことです。

毅然とした態度で、あるいは心の中で冷静に分析し、あなたを適正・能力で正当に評価してくれる職場を探しに行きましょう。

→ 関連ページ:『もう会社選びで失敗しない。優良な転職先の見極め方』

→ 関連ブログ:『「親の職業」で差別された… 家柄・学歴ハラスメントの実態』

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