SHARE:

女性だから任せてもらえない!? ジェンハラの実態

女性だから任せてもらえない!? ジェンハラの実態

「女性には重要な仕事は任せられない」

女性だから出張は控えてもらおう

こんな言葉を職場で聞いたことはありませんか?

最近注目されている「ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)」は、性別を理由に仕事の機会を奪われたり、能力を決めつけられたりする新しいタイプのハラスメントです。

一見、配慮のように見える言動も、実は深刻な差別になっている場合があります。

今回は実際の職場で起きているジェンハラの事例を通して、その実態と対処法について詳しく見ていきます。あなたの職場でも起こりうる身近な問題として、ぜひ参考にしてください

職場で実際に起きているジェンハラ事例

ジェンダーハラスメントは、従来のセクハラとは異なり、性別に基づく固定観念や役割押し付けが中心となります。実際に報告されている事例を見てみましょう。

昇進・昇格の機会を奪われるケース

ある総合商社で働く女性営業職(30代)のケースでは、同期の男性が次々と海外駐在や重要プロジェクトに抜擢される中、彼女だけが

女性だから海外は大変
家庭もあるでしょうから

という理由で、同じ機会を与えられませんでした。

結果として昇進が遅れ、キャリア形成に大きな影響を受けることになりました。本人は海外勤務を希望していたにもかかわらず、性別を理由に機会を奪われた典型的なジェンハラ事例です。

🔑 ワンポイント
個人の希望や能力を確認せず、性別だけで判断することは明確なハラスメントです

業務内容への固定観念の押し付け

女性への押し付け事例

  • 「女性の方が細かいから」と事務作業ばかり割り当てられる
  • 会議では議事録係を毎回任される
  • お茶出しやコピー取りが当然のように期待される

男性への押し付け事例

  • 「男性なんだから力仕事は当然」と重労働を一方的に押し付ける
  • 「男なら残業は平気でしょ」と長時間労働を強要される
  • 「男性が育休なんて」と制度利用を阻害される

外見や服装への過度な注文

女性に対して「もっと女性らしい服装を」「化粧をきちんとして」といった外見への干渉や、男性に対して「男らしくしろ」といった言動も、ジェンハラの一形態です。

ジェンハラが与える深刻な影響

ジェンダーハラスメントは、被害者に多方面にわたる深刻な影響を与えます。

キャリアへの長期的影響

  • 昇進機会の損失
    ⇒ 性別を理由に重要な業務から外されることで、キャリア形成が阻害される
  • スキル習得の機会喪失
    ⇒ 挑戦する機会を与えられず、能力向上の場が奪われる
  • 経済的不利益
    ⇒ 昇進の遅れにより、生涯賃金に大きな差が生じる

精神的・心理的影響

  • 自己肯定感の低下
    ⇒ 能力ではなく性別で判断されることで、自信を失ってしまう
  • 働く意欲の減退
    ⇒ 頑張っても評価されない環境では、モチベーションが維持できない
  • ストレス関連症状
    ⇒ 不公平な扱いによる慢性的なストレスで、心身の不調を招く

🌈 ちょっと一息
ジェンハラは個人の問題ではなく、組織全体の生産性や創造性にも悪影響を与える構造的な問題です

ジェンハラから自分を守るための対処法

ジェンダーハラスメントを受けた時や、そのような環境に置かれた時の対処法をご紹介します。

1. 記録を残す

記録すべき内容

  • 発言の記録
    ⇒ 「女性だから」「男性なんだから」といった性別を理由にした発言
  • 機会の不平等
    ⇒ 同じ条件なのに性別を理由に扱いが異なった具体例
  • 日時と関係者
    ⇒ いつ、誰が、どのような状況で行ったか

2. 冷静なコミュニケーション

感情的にならず、まずは相手に問題を伝える努力をしましょう。

効果的な伝え方

  • 事実に基づいて話す
    ⇒「女性だからという理由で判断されているように感じます」
  • 自分の希望を明確に
    ⇒ 「この業務にチャレンジしたいと考えています」
  • 会社の方針を引用
    ⇒ 「ダイバーシティ推進の観点から検討いただけませんか」

3. 社内外の相談窓口活用

  • 人事部やハラスメント相談窓口
    ⇒ まずは社内の専門部署に相談
  • 労働局の相談窓口
    ⇒ 男女共同参画に関する専門的な相談が可能
  • 弁護士や専門家
    ⇒ 法的な観点からのアドバイスが必要な場合

4. 同僚との連携

一人で抱え込まず、同じような経験をしている同僚と情報を共有することも大切です。組織的な問題として認識されることで、改善に向けた動きが生まれやすくなります。

まとめ

ジェンダーハラスメントは、一見「親切」や「配慮」に見える言動の中に潜んでいることが多く、被害者自身も気づきにくいという特徴があります。しかし、性別を理由に機会を奪われたり、能力を決めつけられたりすることは、明確な人権侵害です。

 「女性だから」
 「男性だから」

という理由で、あなたの可能性が制限される必要はありません。一人ひとりが個人として尊重され、能力や意欲に基づいて評価される職場環境こそが、本当に働きやすい環境といえるでしょう

もしあなたがジェンハラを受けていると感じたら、一人で悩まず、適切な窓口に相談してください。あなたらしく働ける環境を手に入れるために、勇気を持って声を上げることが大切です。

→ 関連ページ:『あなたの職場は大丈夫?ハラスメントが蔓延する環境の特徴』

→ 関連ブログ:『「ジェンハラ」に高まる関心! 新ハラスメントの実態』

あなたへのおすすめ