自費で研修に行けは違法? 強制された「学び」の拒否権

週末までにこのビジネス書を読んで、レポートを提出しろ
「日曜日のセミナー、勉強になるから自費で参加してこい」
あなたの成長のためという名目で、プライベートな時間や財布の中身を侵害してくる上司たち…。
「意識高い系」の上司に多いこのパターンですが、断ると「やる気がない」と評価を下げられそうで、渋々従っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、学びとは本来、個人の自由意志で行うものです。会社が強制した時点で、それは「教育」ではなく「業務」となります。
この記事では、どこからが違法な「強制」になるのか、その境界線と拒否するためのロジックについて解説します。
「強制」があればそれは「業務」である
まず大原則として、会社が従業員に何かを命じることができるのは、あくまで「業務時間内」に限られます。
休日や勤務時間外に行う学習や研修が「労働時間(業務)」にあたるかどうかの判断基準は、指揮命令下にあるかという一点に尽きます。
具体的には、以下の要素がある場合、それは実質的な業務命令とみなされます。
- 参加しないと不利益がある
⇒ 欠席すると査定に響く、賞与が減らされる、強く叱責されるなど - 事実上の強制参加
⇒ 「自由参加」と言いつつ、全員参加が暗黙のルールになっていたり、欠席理由をしつこく聞かれたりする - 業務との関連性が極めて強い
⇒ その研修を受けないと、翌日からの業務が遂行できないような内容である
🔑 ワンポイント
「自由参加」という建前でも、参加しなかった人が事後に個別に呼び出されて嫌味を言われるような場合は、実態として「強制」と判断される可能性が高いです
業務なら「残業代」と「費用」が発生する
もし、上司の指示が上記の「強制」に当てはまる場合、それは立派な仕事です。したがって、以下の2点を会社に請求する権利が発生します。
- 残業代(休日出勤手当)
⇒ 休日にセミナーに参加した時間や、自宅でレポートを書くために費やした時間は労働時間です - 費用の負担
⇒ セミナー参加費、書籍代、交通費などは、業務遂行に必要な経費として会社が負担すべきものです
「自己投資だから自腹を切れ」という理屈は、あくまで個人の自由意志で行う場合にのみ成立するものです。会社が命令しておきながら、コストだけ個人に押し付けることは法的に認められません。
🔑 ワンポイント
※指示が具体的でなかったり、業務との関連性が薄い場合は、労働時間と認められないケースもあります。最終的な判断は個別の状況によります
賢いかわし方と証拠の残し方
とはいえ、真っ向から「違法です」と反論するのは角が立ちます。スマートにかわしつつ、万が一のために証拠を残すテクニックを使いましょう。
- 業務命令か確認する
⇒ 「勉強になりますね! これは業務命令ということで、残業申請してもよろしいでしょうか?」と無邪気に聞いてみましょう。上司が「いや、業務ではない」と言えば、「では、今回は予定があるので欠席します」と断る大義名分が立ちます - メールやLINEで指示を残す
⇒ 口頭で言われた場合、「先ほどの研修の件、日時と場所をメールで送っていただけますか?」と形に残させます。「自費で」や「強制」のニュアンスが含まれていれば、後々、未払い賃金を請求する際の証拠になります
まとめ:学びは強要されるものではない
自分のキャリアのために学ぶことは素晴らしいことですが、それは誰かに強制されて行うものではありません。
「君のため」という言葉で巧みにカモフラージュされていても、あなたの時間とお金を搾取する権利は会社にはありません。プライベートまで侵食してくる理不尽な要求には、明確な境界線を引いて身を守りましょう。
この記事のポイント
- 不参加で評価が下がるなどの不利益があるなら、それは業務命令である
- 業務であれば、休日の時間は労働時間となり、費用も会社負担が原則
- 「業務命令ですか?」と確認することで、相手に責任の所在を意識させる
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